Mの部屋(仮題) リターンズ

英会話スクールとかオンラインレッスンとかTOEIC(985点)とか英検(1級合格)とか工業英検(2級)の情報を公開、共有。しばらく前にHPを公開していたがサービスが終了、久しぶりに復活したので、"リターンズ"。英検でも、TOEICでもそこそこ挫折を味わって、色々考えてきたので、参考にしていただけることはあるかも。


『Crooked house』、クリスティー自身もお気に入りの作品

アガサクリスティーの『crooked house』を読んだ。邦題は『ねじれた家』。約一年前にこの作品の映画が公開されたときに、本屋さんの洋書売り場で平積みにされていた。それを購入。

 

Crooked House

Crooked House

  • 作者:Agatha Christie
  • 出版社/メーカー: HarperCollins Publishers Ltd
  • 発売日: 2017/02/09
  • メディア: ペーパーバック
 

 

ねじれた家 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ねじれた家 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

 

 

内容

『アガサ・クリスティー完全攻略』で『ねじれた家』が解説されているので、そこから抜粋。

 

 一代で財をなしたギリシャ人、アリスタイド・レオニデス。老アリスタイドは、奇矯な造りの屋敷に一族を住まわせていた。アリスタイドの孫娘ソフィアと恋に落ちた私は、ソフィアとの結婚話を進めるつもりだったが、老アリスタイドが毒殺されたという報に驚愕する。
 そして、ソフィアも、「わたしの一族は"ねじれた家"に住んでいるよ」と、レオニデス一族の中の不穏な空気について懸念を示す。危機感を抱いた私は、アリスタイド殺害の謎を追う。

 

この作品では、ポアロやマープルは出てこない。シリーズものではなく単発の作品。名探偵が出てこないので、最後に一同を部屋に集めて、というようなシーンはない。

ただ、登場人物の中に探偵小説が好きな人物がいて、シャーロックホームズやワトソンの名前は出てきたりする。


作者の序文

この本の冒頭の序文(Author's Foreword)によると下記の文章から始まり、作者にとってどんなに思い入れのある作品かということが1ページにわたって書かれている。

 

This book is one of my own special favourites. ...

 

感想

登場人物の関係を把握するのがややこしかった。翻訳された日本語の本には登場人物が最初にリストアップされているが、英語の推理小説ではまだそういうのを見たことがない。今回も、レオニデス家の家系図など書きながら登場人物を整理して読んでいた。

登場人物を書きだすのは、面倒そうであるが、意外と楽しいし、理解も深まる。最近では、日本語の推理小説を読むときも登場人物を書きだしたりすることがある。

内容的には、屋敷の中で殺人事件があり、それでずっと話をもたせていて飽きない印象であった。まあ作者が自分で気に入っている(つまり自信作?)というくらいのことはあると思う。

『アガサ・クリスティ―完全攻略』の説明によると、この作品よりも前に同じトリックだかパターンだかの作品が発表されているとのこと。それが何の作品か全然ヒントがないので、ずっと気になっていたが、ちょっとあれじゃないかと思いついたのがあった。きっとあれだと思うけど違うかな・・・。

 

ちなみに、『アガサ・クリスティ―完全攻略』での『ねじれた家』のレーティングは★4であった。

 

 

アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 作者:霜月蒼
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/04/18
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

 

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『チーズバーガーズ』、たまにはこんなのもいいかも

『チーズバーガーズ』は講談社英語文庫の1冊で、英語の本。

以前購入して、読みかけていたが挫折した。
最近英語の本の読書量が足りてないなと思っていたので、その一環としてあんまり構えないでさらっと読んでみようと思ったら、それなり楽しく読み終わった。

ところで、英語のペーパーバックを読むようになって気づいたが、日本の文庫のサイズは持ち運びやすくて便利だと思う。そのため講談社英語文庫で面白そうな英語の本がないかつい探してしまう。

 

チーズバーガーズ―Cheeseburgers 【講談社英語文庫】

チーズバーガーズ―Cheeseburgers 【講談社英語文庫】

 


背表紙より

ある日曜日の午後、イリノイ州に住んでいるヴィック・ローソンは、友人に電話をかけようとして、受話器を取り上げた。しかし、発信音のかわりに耳に入ってきたのは、声、しかも10人くらいの声だった。彼らの断続的な会話が聞こえる。ラーソンはこれといった理由もなく、その電話を切らずに、耳に当てていた。
 しばらくして、ラーソンは、一体何が起こっているかを了解した。それは・・・・・・。
(「電話のパーティ」より)

「80年代アメリカのスナップ写真」と著者が称する多数のコラムの中から、27編を厳選。

 

 


感想

短編集なので、なんとなくオチがあるような面白い話なのかと思って読み始めたがそういうのではなかった。『Party Line』(電話のパーティ)が一作目で、上記のように背表紙に書かれているのでどうなるのかと思ったら、最後はちょっと肩すかしな展開だった。

2つ目のモハメド・アリの『The most famous man in the world』や3つ目のビートルズ ファンの女の子の『Born Too Late』は特に盛り上がりあるわけでもなく、淡々と書かれている。最初読んだときは、英語でもあるし、山場やオチがなさそうなのでどう読んだらいいか分からなかった。

たぶん、背表紙の紹介文がちょっと違う印象を与える文章なような気がする。読み終えた印象としては、背表紙の最後の「80年代アメリカのスナップ写真」が本の内容を端的に表していると思う。

いったん挫折したが、気軽に再度読み始めみるとそれなりに面白かった。

かなり話の内容の幅は広い。印象的な話はいくつかあるがその中でも特に印象に残ったのは、『Strangers on a plane』と『Wedding story』。最初の方は、ビジネスでも旅行が目的でなく飛行機に乗り続けている女性の話。2つ目は70代の女性が結婚する心温まる話。

基本的には心の機微みたいなことが書かれているので、そういうのを英語で読んでみたい人にはよかもしれない。


ちなみに、チーズバーガーの話はなかったと思う。

 

 

 

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『How to Deliver a Great Ted Talk』、スピーチ対策で読んでみた

 

 

英語のスピーチの準備で、アカッシュ・カリア著の『TEDに学ぶ最強のプレゼン術』を読んだ。その流れでオリジナルの方の『How to Deliver a Great Ted Talk』も購入して読んでみた。

 

www.englishlearner-m.net

 

内容

内容は日本語版と基本的には同じ。目次などは、以前書いたものを参照していただければ。

 

www.englishlearner-m.net

 

TEDに学ぶ最強のプレゼン術 (SB文庫)

TEDに学ぶ最強のプレゼン術 (SB文庫)

 

 

 

厳密に比べたわけではないが、少し英語版を読んでいて意味がよくわからないところがあり、日本語版で確認していたら、一部省略されていて日本語化されていないものがあった。例として挙げられているサンプルの表現が記載されていないところがあった。大勢には影響しないと思うが。

 

誤記

この原書の方には前半の方に誤記があった。下記の3点見つけた。英語の本を読んでいて誤記を見つけたのは初めてかもしれない。ちょっと新鮮。

(1)効果的で記憶に残るメッセージを作るためのポイントが"SUCCES"という言葉で表されている。頭文字を6個(Simple, Unexpected, Credible, Concrete, Emotional, Stories)あわせた言葉である。それが最後のまとめのところで5個しか列挙されず、Emotinalが抜けていた。

(2)"以下の2つの理由"と書いてある部分で、3つ理由が挙げられている。

... to avoid opening with a joke for two reasons.


(3) 軍隊では、混乱した状況でも本部に報告できるように、報告内容を頭文字6個をとってSALUTEという言葉で覚えるというのが、書かれている。こちらも最初の説明と2回目の説明が異なっている単語があった。SALUTEのSの単語、最初は、sizeと書かれていて、もう一カ所は、situationと書かれていた。

ちなみにSALUTEは敬礼するという意味なので、軍隊にちなんでこの単語であらわされているんだろうと思う。

念のため日本語版の方を確認してみたら、日本語半ではこれらの誤記は修正されていて問題なかった。

 

感想

スピーチの準備から本番に至るまで、スピーチをよくするためのポイントが無駄なく体系的に書かれているので、実際にスピースする前に読んで役に立ったと思う。

日本語版を2回読んだ後にこの英語版を読んだ。この英語版は割合本番(スピーチコンテスト)が近づいている時期に読んだので、本番前のポイントについてはこの本で学んだ。特に本番当日、集中力を高めるために、体を動かす、というのは良いと思った。

このスピーチ前に体を動かして集中力を高めるというのは、テスト前にも使えるんじゃないかと思ったので、TOEICなどのテスト前もやっている。


まとめ

スピーチ、プレゼン、それ以外でも人前で話をする機会がある人で、スキルをあげたいと思っている人は非常に役立つのではないかと思う。自分の話していることとこの本に書かれているポイントを比べてみるところからはじめれば改善につなげられると思う。

自分のプレゼンやスピーチを改善したくて、なおかつ英語の勉強のためという人に英語版がおすすめ。英語は平易で読みやすいと思う。

翻訳本の場合、訳がイマイチで英語で読んだ方がわかりやすいということがあるが、この本の日本語翻訳版『TEDに学ぶ最強のプレゼン術』は全然問題なかった。単に内容が知りたいというには翻訳版の方がよいかと思う。

 

 


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『The Burglar in the Closet』、泥棒バーニイシリーズの第2作。

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『The Burglar in the Closet』を読んだ。

日本語翻訳版のタイトルは『泥棒はクロゼットのなか』。

ローレンス・ブロックは好きな作家で以前よく読んでいた。この泥棒バーニーシリーズとか私立探偵マット・スカダーなどのシリーズ。もちろん昔読んでいたのは日本語版。

去年、今まで面白かった翻訳ものを原書を読んでみようと思いたったが、それで読み始めたうちの一つがこのバーニイ・ローデンバーシリーズ。実は昨年、第1作の『The Burlglar can't be choosers』(邦題、『泥棒は選べない』)を読んでいる。

 

 

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内容

泥棒である主人公のバーニイが、泥棒をして事件に巻き込まれる。そして、どこにでも入れるという特技などを使って事件を解決していくというストーリー。

日本語版の背表紙から抜粋。結構説明してあったので、途中半分以上を省略。

いままでに、バーニイ・ローデンバーが手がけた鍵は数しれない。あらゆる状況で、あらゆる種類の鍵をあけてきた。だが、クロゼットのなかに閉じ込められ、外からかけられた鍵と取り組むのは初めてだった。しかも、やっとあけて出た彼を待っていたのは、胸を刺された女の死体。そして、獲得の宝石をつめたバーニイのアタッシュ・ケースはきれいに消えていた!
(中略)
痛快な泥棒物語と謎解きの魅力をあわせもつ新ミステリ―『泥棒は選べない』に続く注目のシリーズ第二弾。

 

感想

主人公のバーニイ・ローデンバーが泥棒という設定で、盗みに入って殺人事件に巻き込まれるという設定はおもしろい。

ものすごいトリックがあるわけでも、ハラハラどきどきというストーリー展開というわけでもない。でも、軽い感じで、読んでいて楽しい。はしばしにユーモアがある。例えば、こんな感じ。バーニイが盗みに入った時の描写。

A surprising number of people keep money in the kitchen, and many of them tuck it into the fridge. Cold cash, I suppose.
(驚くほど多くの人が台所にお金をしまっている、そして多くが冷蔵庫にしまい込んでいる。思うに、現金を)

Cold cashは、現金という意味もあるようで、それと冷蔵庫の中で冷たいというのがかかっている。だじゃれっぽいが。

バーニイは頭は良さそうであるが、あまり何事にもこだわらない、そしてユーモアがあるキャラクターである。そして主人公以外も登場人物が魅力的である。特にレギュラーメンバーである、お金で買える最も優秀な警官、レイ・カーシュマン。バーニイとレイのやりとりはおもしろい。

このバーニイ・ローデンバーのシリーズを気に入って昔読んでいたが、キャラクター的に自分自身が結構この主人公の影響を受けていると思っている。

 

お酒

ストーリーの中で、バーニーが情報を集めにバーをはしごするところがある。そこで登場人物がいろんなお酒を注文する。その中でスティンガーとスプリッツアーというカクテルが出てきた。

普段あんまり飲みに行かないが、たまたま英会話スクールメンバーとの飲み会があったので、実際にスティンガーとスプリッツアーを試してみた。スティンガーはミントがきいているが結構強めのカクテルだった。スプリッツアーは白ワインのソーダ割り。

ショートカクテルの方がスティンガー。

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英語

設定がニューヨークなので、アメリカの英語。

登場人物の一人が歯医者で、序盤にバーニイが治療してもらうシーンがある。そのあたりはなじみのない単語がいっぱいあった。

下記は、ちょっと気に入った表現。バーニイが情報を集めるために何ヶ所かに電話したら、誰も出なかったときのフレーズ。

The whole world were out to lunch. (世界中の人がランチにでかけてる)

ただ、ここは少し時代を感じさせる。今の世の中だと携帯電話なのでそうそう誰も出ないと言うことはないはず。携帯電話の無い固定電話の時代というのがちょっと出ている。実際この本が出版されたのは70年代後半。

 

既に、バーニイシリーズのこの後の英語版も購入済み。今後も読んでいく予定である。

  

泥棒はクロゼットのなか (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 146-5))

泥棒はクロゼットのなか (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 146-5))

 

 

 

 

 

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アシモフの古典的傑作SF、『ファウンデーション』銀河帝国興亡史<1>

またアイザック・アシモフの『ファウンデーション』を読み返した。

少なくとも3回目、たぶん4回目のような気がする。

やはり、面白かった。

たまに読み返したくなる本がいくつかあるがそのうちの1冊。

去年、この本を原書で読んだ。『Foundation』

実はこの英語版について書こうと思っていたがなかなか書けないでいた。それで日本語版を読み返し始めたらまた最後まで読んでしまった。

去年英語版を読んで、ストーリーは大体覚えていたので、意外な展開の部分は意外ではなかったが、スリリングな展開の部分はさすがに日本語のほうがスリリングさを感じた。

 

 

Foundation

Foundation

 

 

 

 

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ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

ファウンデーション ―銀河帝国興亡史〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

アマゾンのレビューで指摘されているが、日本語版は訳がちょっと気になるかもしれない。それでも内容については高評価である。

それに上記のアマゾンの日本語版の方のリンクはブログからの参照が結構多い。やはり評判が良い本ということだろうか。

 

この本について書きにくかった主な理由は、この本は事前情報なしで読んだ方が楽しんでもらえると思ったから。そのため内容にあまり触れずに面白さを伝えうとしたが、難しかった。未読の人にはなるべく展開を知らないで読んで楽しんでもらいたい。

ということで、本の内容については、ちょっと長いが、日本語版の裏表紙よりそのまま引用する。

 

第一銀河帝国は、何世紀にもわたって少しずつ、だが確実に頽廃と崩壊をつづけていた。しかし、その事実を完全に理解している人間は、帝国の生んだ最後の天才科学者-ハリ・セルダンただ一人であった!彼は自ら完成させた心理歴史学を用いて、帝国の滅亡と、その後につづく三万年の暗黒時代を予言したのだ。だが、人類にとって救いがないわけではなかった。滅亡へと向う巨大な慣性を、ほんのすこしでも偏向できれば-かくて暗黒時代をただの千年に短縮するため、セルダンはふたつの"ファウンデーション"を設立したのだが…。巨匠が壮大なスケールで描く宇宙叙事詩!

 

ずっと昔から、もし尊敬する人を聞かれたら、心理統計学者のハリ・セルダンと答えようと思ってる。

でもまだ聞かれたことがなく、答えたことはないが。

 

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世界的ベストセラー『Who moved My Cheese?』の続編、『Out of the Maze』

『Out of the Maze』を読みおわった。世界的ベストセラー『Who Moved My Cheese?』(チーズはどこへ消えた?)の続編。

時間があるうちに読んでしまおうと思って読み始めたら、すんなり読み終わった。ページ数も90ページもないくらいのボリュームであった。

思いの外良かった。

 

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ストーリー

『Who Moved My Cheese?』の続編で、前回の登場人物の一人Hemのその後に焦点が当てられている。前作の最後で、残りの一人(Haw)と2ひきのねずみ(SniffとScurry)はどうなったか書かれていたが、Hemだけは書かれていなかった。その書かれていなかったHemについてのストーリー。Hemが新たな登場人物Hopeとともに変化を受け入れようとする話。

前作のあらすじが最初に2ページほどでまとめられているが、個人的には前作を先に読むのを断然おすすめしたい。

テーマとしては前作と同じく、変化にどのように対応するかということ。

英語

わかりやすい英語で難しい単語はほとんどなく英語の本としてはかなり読みやすいと思う。TOEICのパート7の長文を読むよりは読みやすいと思う。

感想

前作がよかっただけに、あんまり期待できないかなと思っていたが、予想を裏切られた。

前作は、迷路でチーズを探す2人の小人と2ひきのねずみの話と、それを教訓としてどのように実生活に活かせるか議論している人たちの話の2段構えの構成であった。

今回の本も同様な構成であるが、最後に作者の闘病時の手紙が紹介されていて、3段構えの構成と感じた。

その作者についての部分があってこのシリーズは引き締まったと思う。作者は既に亡くなっているが、最後は作者が自分の本で書いていることを実践していることが紹介された。作者は死という大きな変化に自ら対応しようとした。これ以上説得力あることはあんまりないんじゃないかと思った。

この本を読んで、自分の生活について考えてみると、変化に対してそれほど前向きではないとあらためて気づいた。変化に対して前向きに取り組んでいこうと思う。

 

この本から抜粋。

You can do, experience, and enjoy a lot more than you think you can

 

Out of the Maze: A Simple Way to Change Your Thinking & Unlock Success

Out of the Maze: A Simple Way to Change Your Thinking & Unlock Success

 

 

最後に

前作『Who moved My Cheese?』のHem, Hawらのストーリーの最後が非常に印象的で良かった。しかし、そのエンディングの部分については今回の『Out of the Maze』では触れられていなかったようである。それがほんの少しだけ残念であった。

 

 


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アガサ・クリスティーの力の入ったデビュー作、『The Mysterious Affair at Syles』

『The Mysterious Affair at Syles』をやっと読み終わった。時間はかかったが結構面白かった。

この本はアガサ・クリスティーのデビュー作。99年前の1920年に出版された本。日本語版は『スタイルズ荘の怪事件』。

遠い昔、日本語版を読んだことがあったがほとんど覚えていなかった。

 

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ストーリー

ヘイスティングスが友人のジョンがいるスタイルズ荘に滞在していると、
ジョンの義理の母である女主人が毒(ストリキニーネ)で不審死する。そして近くに偶然滞在していたヘイスティングスの友人であり、有名な探偵であるベルギー人のエルキュール・ポワロがその不可解な死の捜査に乗り出す。

 

感想

地の文が多めで、会話はそんなに多くなくて、思ったより大変であった。それに知らない単語も多かった。

内容的には、力の入ったデビュー作という気がした。この作品により多くの読者を獲得したというのは納得。最後の2章ぐらいが話が盛り上がり一気に読めた。途中、捜査が停滞して進展がないところでは停滞感があるが、それによって最後の盛り上がりより引き立ってるのかもしれない。

推理小説的な部分もなるほどと感心するが、デビュー作であるのにもかかわらずポアロのキャラクターはかなり魅力的に描かれている。

ちょっと唐突なんじゃないかというところもほんの少しあるが、人間関係のドラマ的な部分もこの本では描かれているが、ポアロはそちらの問題も解決している。

そういう付加的な部分もあったりして読み終わったときにいい感じの余韻があった。

この本で1箇所だけ、灰色の脳細胞("little grey cells")が既に使われていた。

"This affair must all be unravelled from within.” He tapped his forehead. “These little grey cells."

(「この事件はこの中で解き明かされないければならない」彼は額をとんとんとたたいた「この灰色の脳細胞で」)

日本語の『灰色の脳細胞』は有名な言葉となっているが、誰がこれを使い始めたか気になって少し調べたがよくわからなかった。

単語

英語の本を読むときは、まず知らない単語があっても調べないで読み進めるようにしている。その後で、もう一度読み直して知らない単語を確認することがある。この本でも単語を確認していた。

最初そんなに多いと思っていなかったので気軽にメモパッドに書き出したら、結構多くて20枚以上も使ってしまった。しかも裏表両面使っている。

知らない単語は、ストーリー的に重要そうな単語しか意味を確認しないが、確認していたら割合重要なところが理解できていなかったのに気づいた。危なかった。

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この本のおまけ

この本には、出版されなかったオリジナルの『12章』が最後におまけとしてついてくる。

本編の12章はポワロが関係者を集めて推理を披露し、犯人を名指しするという章。おまけで最後についている12章の方は、出版されなかったオリジナルバージョン。内容的には変わらないが、設定が法廷ということになっている。法定でポワロが推理を披露して犯人を名指しする。

出版社はアガサ・クリスティーに書き直させたが、それがどうだったか比べられるという趣向になっている。これははっきり言って書き直されたものの方が断然楽しめる。

この関係者を集めて犯人を名指しするというのは、現代でも当たり前に使われている。コナンくんも小五郎のおじさんを利用して同じことをやっている。

 

フリーの 『The Mysterious Affair at Syles』

この本は、『Project Gutenberg』でフリーで読めるので、興味のある方は眺めてみるのもよいかも。アガサ・クリスティーの本はほとんど載ってないがこの本は載っている。

https://www.gutenberg.org/

 

最後に

霜月氏の本では、『スタイルズ荘の怪事件』の評価は★★★★である。 

アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
 

 

 

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

 

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以前見ていたEテレの英語番組

英語の教育番組は数年前くらいによく見ていた。番組が終わったりキャスティングが変わったりで今は全然見ていない。しかし、かなり前に番組で見て覚えたフレーズも覚えていたりするので役立っている。

 

オトキソ(おとなの基礎英語)

松本先生や坂下千里子さんが出ていたシリーズは3シーズンともしっかりと見た。番組が非常におもしろかったので、続けて見れた。英会話のイーオンで配布されているニュースレターの記事に、松本先生がオトキソのことを書かれていたことがある。この番組は異例の大成功だった為、同じメンバーで3年も続いたということらしい。

近い未来をあらわすのに、現在進行形を使うというのはこの番組で知った。1週間先でも自分が近い未来だと感じるなら現在進行形を使うと確か解説されていた。

松本先生の"I'm good with middle aged women."の発言のあった回はシーズン至上一番面白かった回だと思う。

 

ニュースで英会話

イタリアの豪華客船が転覆とか、中国の当局が脱線した高速列車を穴に埋めかけたりとか、結構色々なニュースをやってた。

伊藤サムさんがメインキャスタの回は落ち着いた雰囲気で結構好きだった。元英字新聞編集長だった経験からの解説はなかなか興味深かった。このサムさんの解説でstep downとresignの言い換えを覚えたが、最近イーオンのレッスンでresignの意味を聞かれ、step downを答えられた。

鳥飼先生もメインキャスタをされていたが、アポロの月面着陸の放送を同時通訳していたという実績はすごい。去年の年始の特番で、鳥飼先生がアメリカの政治関係者にトランプ政権についてのインタビューをしていた内容が非常に興味深かった。シェアしたいとずっと思いつつ時間がどんどん経っている。

 

英語でしゃべらナイト

最後の方の1シーズンだけ見た。英語を使って働いている人の紹介のコーナーが記憶に残っている。そこで紹介されていた英語のフレーズを覚えている。"We're on the same pape."(私たちは同じ立場である)は使えそうと思って覚えたが、使ったことがない気がする。

ガ―レイノルズ氏が講師としてプレゼンテーションについてのセミナーする特番の回(4回分の放送)があり、これは素晴らしかった。DVDにも保存した。

このセミナー中でTEDの有名なスピーチが例としていくつか紹介されていて、TEDカンファレンスを知るようになった。それをきっかけにTEDのプレゼンテーションを紹介していたNKHの『スーパープレゼンテーション』を見るようになった。

 

SNSで磨く!英語Output表現術

2012年くらいにやっていた講座。本間先生の説明が面白かった。南海キャンディーズの山ちゃんも出ていた講座。

Eテレの番組はいくつか観ていたが、テキストは買っていなかった。番組が面白かったのはあるがなぜか唯一この番組だけテキストを購入。

後に、TOEICのセミナー(TOEIC SWのプロモーションのためのセミナー)があり、講師が本間先生だったので聞きに行ったことがある。非常に有益なセミナーであった。

 

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スーパープレゼンテーション

TEDカンファレンスのプレゼンテーションが紹介される番組。色々なテーマのプレゼンテーションが紹介されていて非常に面白かった。

昨年、残念ながら番組は終了。最終回でTEDの代表であるChris Andersonの番組宛てのビデオメッセージが紹介されていたのは印象的。ちょうどその当時、たまたまChris Andersonの本『TED TALKS』を読んでいた。

この本は素晴らしいので、デザイン違いが出たので買ってしまった。新しい黒いデザインの方がかっこいい。

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TED Talks: The official TED guide to public speaking: Tips and tricks for giving unforgettable speeches and presentations

TED Talks: The official TED guide to public speaking: Tips and tricks for giving unforgettable speeches and presentations

 

 

スーパープレゼンテーションにも出ていたChip Kiddを見て、TEDで出版されているChip Kiddの本も購入した。 未読だが。

 

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www.ted.com

 

来週から4月。

また新しい番組が始まるのでちょっとチェックしてみようか。気が向いたら。

 

 

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未読の英語本

読んでない本がたまってる。日本語の本も英語の本も。英語の本も読むのに時間がかかるのでなるべく買わないようにしようと思っていたがつい買ってしまい、たまってきた。

読んでからだといつ紹介できるかわからないので、一部をコレクションとして紹介してみる。

 

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Sidney Sheldon 『Master of the Game』

シドニーシェルダンの『ゲームの達人』。昔流行っていたので、きっと面白いはずと思い、英語版を本屋で見つけた時に購入。当時、シドニーシェルダンの本は「超訳」という言葉とともに記憶に残っている。ミステリ雑誌『EQ』に、翻訳者の方が超訳についての記事に書かれていたのが印象に残っている。原書に比べると、ばっさりと訳されない文章とかもあるとか。最近の日本語版には、"新超訳"と入っている。

購入した本の帯にTOEIC 600点と書かれているが、600点だと確実に大変だと思う。

以前、同じ作者の『The Naked Face』を読んだが、会話などが現実っぽい表現で英語の勉強にはよさそうと思った。最初の方で、"They were fuzz."という文が出てくる。このfuzzが警察官の俗称だと知って、これは敷居高そうだなと思って一旦読むのをやめていたこともあった。

 

Master of the Game

Master of the Game

 

 

 

ゲームの達人(上)

ゲームの達人(上)

  • 作者: シドニィシェルダン,Sidney Sheldon,天馬龍行
  • 出版社/メーカー: アカデミー出版
  • 発売日: 2010/09/10
  • メディア: 単行本
  • 購入: 1人 クリック: 5回
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ゲームの達人(下)

ゲームの達人(下)

 

 

 

The Naked Face

The Naked Face

 

 

Dale Carnegie 『How to Win Friends & Influence People』

カーネーギーの『人を動かす』。ベストセラーで評判もよいのできっとよいことが書いてあるに違いない。

英検の2次試験のスピーチがうまく行かず、呆然とした状態で紀伊国屋に立ち寄ったら、たまたま洋書のディスカウントセールをやっていてその時に買った本のうちの1冊。もう一回セールに行こうかと思ったら、ちょうどその日が最終日だった。

 

 

How to Win Friends & Influence People

How to Win Friends & Influence People

 

 

人を動かす 文庫版

人を動かす 文庫版

 

 

George Orwell 『ANIMAL FARM』

動物の話で、政治っぽい話らしい。何がきっかけだったが忘れたが、アマゾンで購入した。

ちょうど次回の英会話スクールのDiscussion Mattersの予習をしていたら、この作者にちなんだ"Orwellian"という言葉が出てきた。Oxford Learner's Dictionariesにも、この単語は出てくる。単語の意味の他に補足が書いてある。"From the name of the English writer George Orwell, whose novel Nineteen Eighty-Four describes a government that has total control over the people."

昨年、石ノ森章太郎の漫画版『アニマルファーム』も本屋で見つけたのでそれも購入した。こちらも未読。

 

Animal Farm (Penguin Essentials)

Animal Farm (Penguin Essentials)

 

 

 

アニマル・ファーム (ちくま文庫)

アニマル・ファーム (ちくま文庫)

 

 

HOBBIT J.R.R TOLKIEN 『HOBBIT』

英会話スクールで会話に出てきたのがきっかけで購入した本。『ロードオブザリング』につながる前の話だったと思う。

 

The Hobbit: International Edition

The Hobbit: International Edition

 

 

『HBR'S 10 Must Reads: The Essentials』

Harvard Business Reviewのマネージメントに関するアイデアのマストリードの文章が集められている。こんなのを読んどいたほうがいいかなと雰囲気で買ってしまった。名前を知ってるのはPeter Druckerだけだが、Druckerもまだ全然読んだことはない。FacebookでHBRの本に「いいね」してる人がいて、それを見たのがきっかけで購入した。

 

HBR'S 10 Must Reads: The Essentials (English Edition)

HBR'S 10 Must Reads: The Essentials (English Edition)

 

 

Erik Brynjolfsson, Andrew McAfee『The Second Machine Age: Work, Progress, and Prosperity in a Time of Brilliant Technologies』

作者らの前作『機械との競争』を読んだことがあるので、次の本は原書で購入した。

『機械との競争』は、技術の進歩とともに仕事がなくなるのではないかという話。今後技術の進歩でなくなる職業の調査、ランキングとともに『機械との競争』が紹介されていてことがあり読んでみた。たしか一次産業は割合影響を受けにくいと言うことが書かれていたと思うが最近はそうでもないニュースも見かけたりする。

この英語の本、世の中の技術の進歩が速いので、新鮮さがなくなる前に読まないといけないと思っているが読んでいない。

 

The Second Machine Age: Work, Progress, and Prosperity in a Time of Brilliant Technologies

The Second Machine Age: Work, Progress, and Prosperity in a Time of Brilliant Technologies

 

 

 

ザ・セカンド・マシン・エイジ

ザ・セカンド・マシン・エイジ

  • 作者: エリック・ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson),アンドリュー・マカフィー(Andrew McAfee),村井章子
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2015/07/29
  • メディア: 単行本
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機械との競争

機械との競争

  • 作者: エリック・ブリニョルフソン,アンドリュー・マカフィー,村井章子
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2013/02/07
  • メディア: 単行本
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Philip Tetlock 『Super forcasting』

本屋で翻訳版の『超予測力―ー不確実な時代の先を読む10カ条』を見かけて面白そうだったので、原書の方を購入。面白そうな翻訳ものの本が売られているのを見ると、最近は原書で読みたくなってしまう。

この本以外でも、同じように翻訳版が面白そうで原書を購入し読みかけになっている本もある。

 

Superforecasting: The Art and Science of Prediction

Superforecasting: The Art and Science of Prediction

 

 

 

超予測力―ー不確実な時代の先を読む10カ条 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

超予測力―ー不確実な時代の先を読む10カ条 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 作者: フィリップ・E・テトロック,ダン・ガードナー,土方奈美
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2018/05/02
  • メディア: 文庫
  • この商品を含むブログを見る
 

 

本当にあんまり買わないようにしないといけないとは思っている。

~~~

未読と言えば、数学の本もたまに欲しくなって買う。しかし読み終わったことがない気がする。最近も『確率のはなし』という本を買って読みかけているが、終わるかどうか。

 

確率のはなし (角川ソフィア文庫)

確率のはなし (角川ソフィア文庫)

 

 

『ヒルベルト23の問題』という本はかなり前に買った本。ちょっと開いてみると難しすぎて清々しい。

 

ヒルベルト23の問題

ヒルベルト23の問題

 

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効果的なコーチングのための本、『The Coaching Habit』

去年、英語を教えるとか、指導するとかに興味があった頃に読んだ本。英語の勉強をかねて、コーチングについて知識を得るため、評判の良さそうなこの英語の本を購入。amazon.comのレビューが非常によかった。1200以上のレビューで80%以上が5つ★であった。

 

The Coaching Habit: Say Less, Ask More & Change the Way You Lead Forever

The Coaching Habit: Say Less, Ask More & Change the Way You Lead Forever

 

 

コーチングとは何か?

そもそもコーチングと何か?本を読む際にネットでも調べて確認してみた。

コーチングやカウンセリングは、対象となる人に対して改善してもらうためにやることである。それは納得。しかし、両方ともその対象の人自らによって答えを見つけてもらうのが目的ということのようである。知らなかった。

またコーチングとカウンセリングの違いは、スタート地点の違いということである。コーチングの方は現状をもっとプラスの方に持っていく。一方、カウンセリングの方は、マイナスから始まったそれを解消する。

英会話のイーオンでカウンセリングというのがたまにあるが、そんな感じではなかったような気がする。しかし、それは自分が色々勝手に喋っていたのが原因かもしれない。

内容

現代では会社の管理職など指導する立場の人もなかなか忙しくて、人の指導をじっくりできない。

それに対する答えとして、コーチングをするための具体的な質問7個について書かれている。それがメイン。また、従来の自分の習慣から新しい方法へ変えることについても解説されている。最後には著者のおすすめの関連書籍が紹介されている。

以下、目次の抜粋。

How to Build a Habit
1.The Kickstart Question
2.The Awe Question
3.The Focus Question
4.The Fundation Qustion
5.The Lazy Question
6.The Strategic Question
7.The Learning Question

 

感想

7つの質問という具体的なところまで落とし込まれているのが実用的で素晴らしいと思う。それがamazon.comの高評価の理由だと思う。それぞれ質問の趣旨について詳しく考え方が解説されていて、その7つの質問により効果的なコーチングができるということである。例えば、"1. The Kickstart question"では、まず最初にする"What's on your mind?"という具体的な質問が書かれていて、この質問の狙い、目的などが解説されている。

自分的には、この本の内容はすんなりと受け入れられる。 考えたことをアドバイスするのは好きではある。しかし、自分の今までの経験上、色々アドバイスしても、聞いた側はそんなに自分が話したことを理解していない、もしくは理解したとしてもほとんど実践しない。ということで、実際にアドバイスする際にも、あんまり多くは言わないようになってきているので。

そして、この本に書かれている内容を意識して以来、更にアドバイスすることが減って、相手の見解から聞くようになった。

面白かったところ

コーチングとはあまり関係ないが、"戦略的な"ということついて書かれている文章がちょっと面白かった。海外でもこういうことがあるんだなと。

"strategic" has become an overused qualifier, something we add to anything that we want to sound more important, more useful, more thoughtful, more ... good. This isn't a meeting. It's a strategic meeting.

("戦略的"が多用されている。より重要そうに聞こえるように戦略的を付ける。これは会議ではない。戦略会議である、みたいな)

どこらへんが、面白かったかというと、自分の会社には「戦略xx」という部署が存在するところ。 

あと、これは非常にいいフレーズだと思った。"戦略の本質は何をすべきでないかを選択すること"

Of the many definitions of "strategy" that I've seen, I think I like Michael Porter's best, when he said, "The essense of strategy is choosing what not to do" 

 

日本語版

調べてみたら、日本語版もあった。タイトルは『リーダーが覚えるコーチングメソッド』。こちらはそんなに評判になっていないように見える。翻訳がネックになってたりするのだろうか。

 

リーダーが覚えるコーチングメソッド ――7つの質問でチームが劇的に進化する (フェニックスシリーズ)

リーダーが覚えるコーチングメソッド ――7つの質問でチームが劇的に進化する (フェニックスシリーズ)

  • 作者: マイケル・バンゲイ・スタニエ,Michael Bungay Stanier
  • 出版社/メーカー: パンローリング
  • 発売日: 2017/08/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まとめ

コーチングに興味がある人は読んでみてもよいかもしれない。かなり実践的で活用しやすい本だと思う。ボリュームもそんなに多くなく、英語も割合読みやすいと思う。

 

 

仕事や生活での変化への対応法。おすすめ。『Who Moved My Cheese?』

Who Moved My Cheese?
An A-Mazing Way To Deal With Change In Your Work And In Your Life.

世界的ベストセラー。発売以来色々な言語に翻訳されている。サブタイトルにあるように仕事や生活での変化に対応する方法についての本。 

Who Moved My Cheese

Who Moved My Cheese

 

 

日本語のタイトルは『チーズはどこへ消えた?』

英語の本を探していたとき、日本でベストセラーになっていたのを思い出して、この本を購入。ページ数は100ページ弱で、挿絵のページも含まれるので割合短めの本。

 

チーズはどこへ消えた?

チーズはどこへ消えた?

  • 作者: スペンサージョンソン,Spencer Johnson,門田美鈴
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2000/11/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ストーリー

同窓会に参加している人たちが世の中の変化について語っている。その中の一人が、あるストーリによって仕事や生活での変化にうまく対応できたという。それは2ひきのねずみと2人の小人が登場する話し。その人物がその話しを他のメンバーに語り出す。

2ひきのねずみSniffとScurry、2人の小人HemとHawが迷路の中にあるチーズを探している。チーズステーションCに豊富なチーズが見つかった。しかしそれがなくなっていく。状況が変わってきたとき、ねずみたちと小人たちのとった行動が異なっていく、という話し。

ストーリーが語られたあと同窓会のメンバーが、ビジネスの変化についていけなかった話や人間関係などの実生活の事柄について、ストーリーと照らし合わせて、どのキャラクターのような行動しているか、どうすべきだったかなどの会話をする。

感想

この本を読んだのが今回2回目。1回目はオランダ出張の行きのフライトで読んだ。全然睡眠をとらずに読み終えた。その結果、時差の関係で24時間ずっと起きっぱなしになって非常にきつかった記憶がある。

そのオランダ出張は、久しぶりの海外出張であった。ちょうど仕事など色々変化が多かった時期だった。色々大変だった。よいタイミングでこの本を読んだと思う。この本のおかげで何とか前向きになることができた。自分の場合、非常に役立った。

メインのストーリーは2ひきのねずみと2人の小人がチーズを探す話であるが、変化に対応しないということはどういうことか寓話的にうまく描かれていると思う。

本としてうまく構成されていると思ったのが、同窓会に参加した人たちが実生活で起こっている変化とこの話しを対比して、どのように実生活で対処すべきか、対処しない人はどうなるかなどが書かれているところ。それにより、単なる寓話ではなく、このチーズのストーリーをどう活用するかわかりやすく示されことになっているのが素晴らしいと思った。

考えてみれば、変化というのは仕事でも生活でも生きていくうえで誰にでも起こり続ける。就職、転職、リストラ、退職、結婚、離婚など大きなことから、ちょっとした変化まで色々なことが起こる。そういう意味で多くの人にこの本は役立つと思う。

ところで、メインのストーリーのエンディングは全然記憶になかったが、このエンディングは大好き。

英語

難しい単語も少なめで、前半はかなり読みやすいと思う。途中から仮定法がちらほら。

お気に入りのフレーズ

when you change what you belive, you change what you do.
(信じることを変えると、やることが変わる)

He had to admit that the biggest inhibitor to change lies within yourself, and that nothing gets better until you change.
(彼は認めないといけなかった。変化への最大の障害は自分の中にある。そして自分が変わるまで何もよくならない)

プレゼント

内容が非常によくて、ボリュームもそれほどでなく、英語も割合読みやすいので、英会話スクールのスタッフの人が辞めるときに、この本を2回プレゼントしたことあり。

続編

作者は、2017年に亡くなった。しかし、去年の秋、続編が出版された。『Out of the Maze』。今回2回目読み終えて、続編も購入してみた。続編がオリジナルほどのできばえだといいなと思いつつ、まだ読んでいない。

最後にもう一度

変化に対して前向きになれる良い本だと思う。

(そろそろ大きな変化がくるかな・・・)

オーディオ版でアガサ・クリスティーの『And Then There Were None』

日本語のタイトルは、『そして誰もいなくなった』。

英語の小説自体は先に読んだが、リスニングのためにAudio book(CD)を買ってみた。

このCD、ナレーターの人は1人であった。Hugh Fraserという方。登場人物が老若男女いるが、全部この人が声色を変えてナレーションしていた。非常に器用だと思った。イギリスの俳優さんで、ポワロシリーズでヘイスティングス役が有名らしい。

 一通り聞き終わったが、聞き取れないところがそこそこあり、まだまだだなというのはわかった。そして内容を知らないストーリーをAudio bookだけではとても楽しめないというのがわかった。

本を読んでいる時に出てくる不明な単語は何となく想像する習慣が付いてるが、聴いていて分からない単語が出てくると、その単語だけでなくてその付近がごっそり分からなくなる感じがする。主に語彙力の不足が原因だと思うので、それを解消しないことにはなんともならなさそう。

Pew Research Centerの"Nearly one-in-five Americans now listen to audiobooks"という記事によると、アメリカでは5人に1人くらいはAudio bookを楽しむらしい。

 

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ちなみに、講談社英語文庫版には、写真ではわかりにくいが、透明のカバーをつけている。ぴったりフィット。お気に入りのカバー。全然調整できないカバーなので、残念ながら分厚い本などは入らない。


霜月氏の評価では、『And Then There Were None』(そして誰もいなくなった)は★★★★。

 

 

And Then There Were None

And Then There Were None

 

 

そして誰もいなくなった And Then There Were None (KODANSHA ENGLISH LIBRARY)

そして誰もいなくなった And Then There Were None (KODANSHA ENGLISH LIBRARY)

 

 

 

 

ミドリ MDノートカバー<ブンコ>

ミドリ MDノートカバー<ブンコ>

 

 

 

アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕 (クリスティー文庫)

アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕 (クリスティー文庫)

 

 

アガサ・クリスティーの名作、『And Then There Were None』(そして誰もいなくなった)

一昨年、講談社英語文庫の『And Then There Were None』を読んだ。

日本語翻訳のタイトルは『そして誰もいなくなった』。アガサクリスティ―の名作。

遠い昔に、日本語翻訳版を読んだことがあったが、講談社英語文庫で発売されたので購入した。

 

そして誰もいなくなった And Then There Were None (KODANSHA ENGLISH LIBRARY)

そして誰もいなくなった And Then There Were None (KODANSHA ENGLISH LIBRARY)

 

 

ストーリー

孤島に数名の人が招かれる。その人たちが、童謡に従って殺人事件が起きていく。いわゆる見立て殺人。この作品では、アガサ・クリスティーの作品に登場する有名な名探偵ポワロやミスマープルはこの作品では登場しない。

Ten little soldier boys went out to dine;
One choked his little self and then there were Nine.

Nine little soldier boys sat up very late;
One overslept himself and then there were Eight.

Eight little soldier boys travelling in Devon;
One said he'd stay there and then there were Seven.

Seven little soldier boys chopping up sticks;
One chopped himself in halves and then there were Six.

Six little soldier boys playing with a hive;
A bumblebee stung one and then there were Five.

Five little soldier boys going in for law;
One got in Chancery and then there were Four.

Four little soldier boys going out to sea;
A red herring swallowed one and then there were Three.

Three little soldier boys walking in the zoo;
A big bear hugged one and then there were Two.

Two little soldier boys sitting in the sun;
One got frizzled up and then there was One.

One little soldier boy left all alone;
He went out and hanged himself and then there were None.

 

感想

おおまかなストーリーなどは記憶にあって、読みすすめるうちに真相を思い出してきたが、それでもさすがに面白かった。知らない単語がもっと少なくてすらすら読めれば、もっと面白い気がする。

作者が書いた文章をそのまま読み終えたというのが嬉しい。昔は英語で読むことなんか全然想像していなかった。

ストーリーを知っている作品を読むのはよいな、と思った。それでこの本以降も何冊か読んでいる。内容を知っていることで多少英語力不足でもなんとか読めるので。

この本は名作なので、日本語版を読んだことなくて、いきなり英語版から読んでも楽しめるかもしれない。目安としては、TOEICリーディング300点台後半より上、英検2級くらいより上であれば頑張って読めるのでないかと思う。

人が次々に殺されて展開が速いので割りと飽きないで読めると思う。ちなみに『オリエント急行殺人事件』は設定はある意味似ているが、人はあんまり殺されない。また『オリエント急行殺人事件』のように、端々にフランス語が出てくる、というようなこともない。

 

オリエント急行殺人事件 MURDER ON THE ORIENT EXPRESS (KODANSHA ENGLISH LIBRARY)

オリエント急行殺人事件 MURDER ON THE ORIENT EXPRESS (KODANSHA ENGLISH LIBRARY)

 

 

また、講談社英語文庫は後ろに注釈もついてもいるのでわからない単語をある程度確認できるのは便利。

この本に出てきたお気に入りのフレーズ。

"I suddenly saw my way clear."

自分もこんな風に自分のやることがはっきりわかることがあればいいのにな、と思った。

ちなみに、霜月氏の評価では、『And Then There Were None』(そして誰もいなくなった)は★★★★。

 

アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕 (クリスティー文庫)

アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕 (クリスティー文庫)

 

 

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

 

 

アイデアのつくり方『A Technique for Producing Ideas』

『A Technique for Producing Ideas』を読んだ。英語の本。

アイデアの作り方について学べて、英語の勉強にもなると思って購入した本。

ページ数は50ページくらいで、そんなにボリュームは無い。書かれたのは数十年前で、古典的名作という趣きの本である。

残念ながら自分の読んだラダーシリーズ版は、絶版のようである。後ろに語句の注釈があって便利であったが。しかし、日本語版も英語版もまだ手に入るようである。

アイデアの作り方 A Technique for Producing Ideas (ラダーシリーズ Level 5)

アイデアの作り方 A Technique for Producing Ideas (ラダーシリーズ Level 5)

  • 作者: ジェームス・ウェブ・ヤング
  • 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
  • 発売日: 2005/07/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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目次

How It Started
The Formula of Experience
The Pareto Theory
Training the Mind
Combining Old Elements
Ideas Are New Combinations
The Mental Digestive Process
"Constantly Thinking About it"
The Final Stage
Some After-Thoughts

 

内容

作者は広告業界の人。ある出来事をきっかけにアイデア創造法を考え始めて、そのまとまった考えがこの本に記載されている。作者によると、アイデア創出には5段階のステップを踏む。それは無意識だったとしても5段階。1つの段階もとばされることはない。

1.素材集め

2.素材について考える

3.考えるのをやめる(問題を無意識の部分においやる)

4.アイデアが生まれる

5.アイデアを発展させる

アイデア創造のステップの説明の中で、シャーロックホームズの行動が例に取り上げられている。シャーロックホームズの作者であるコナンドイルはクリエーターだったので、アイデア創造をよくわかっていたと作者は書いている。

作者は色々な分野の読者からうまくいった("It works!")と手紙をもらったりしたとのこと。そして、この本はずっと版を重ねているようである。

 

英語

関係代名詞が使われていたり、挿入句が入っていたり、文章は読みやすくない。
単語がわからないものもあるが、文章の読みにくさの方が大変かもしれない。

ちなみにlucidly, ruefully, atoll, confide, glutting, rentier, exigency, reservoir, vicariousなどの単語はなじみがなかった。

 

感想

この5段階の方法を読んで思い出したのが、ショートショートを多く書いた星新一氏。星氏がエッセイの中で、ショートショートの作品の創り方を書いていたが、たしかこの本に書かれているのとほぼ同じ方法だった。ということで自分は説得力を感じた。

この本、時間が経ってもずっと売られ続けているのは、アイデアの作り方については今も通用して、価値があるからだと思う。この手順に従うのそんなに簡単ではなくて、努力は必要そうではあるが。

 

ふと思ったが、このブログを書くにあたりネタを付箋紙に書き出したりして、割合似た手順を踏んでることに気付いた。

 

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

 

 

 

A Technique for Producing Ideas (Advertising Age Classics Library)

A Technique for Producing Ideas (Advertising Age Classics Library)

 

 

洋書の入門書として超おすすめ、『My Father's Dragon』(エルマーのぼうけん)

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『My Father's Dragon』(by Ruth Stiles Gannett)。日本語のタイトルは、『エルマーのぼうけん』。児童向けの本。挿絵も多め。

この本は1948年に出版されて賞を受賞。そしてその後、2作の続編が書かれた。
翻訳もされ世界の子どもたちに読まれている。続編を望まれたが、作者は断って、4作目は書かれなかったらしい。

以前1回読んだが、ちょっと読み返してみた。面白かったという記憶はあったが途中のストーリーはすっかり忘れていた。しかし、読み返しても面白かった。

英語の勉強のために洋書を読むようにしているが、その時本の面白さは重要だと思う。面白くないと読み続けられないし、面白くないのに勉強のためと思って読むのは苦痛であるので。そして面白い本だと話に集中して、英語を読んでいるという感覚が無くなる。

この本は読んでいて楽しい本なのでおすすめ。

この本(講談社英語文庫版)は、ストーリーは挿絵のページをあわせて100ページより少なく、1ページ丸ごと挿絵というページもある。それに他の講談社英語文の本と比べて、文字も大きい。

自分の知っている限りでは、話の面白さや英語の量(語数)などのバランスを考えると、一番良い洋書の入門書の一つではないかと思う。

ただ、今読み返してもちょっと知らない単語があったり、多少引っかかったりしたところがあるのには、自分に少しがっかりした。

ちょっと補足。読み始めて、"Island of Tangerina"と"Wild Island"の位置関係がちょっとはっきりしなかったが、講談社英語文庫版では、ストーリーの最後ページと訳注のページの間にこれがわかる地図のイラストが載っているのに気付いた。

ちなみに、この本はfree ebookを提供している"Project Gutenberg"(https://www.gutenberg.org/)にも登録されているので、そこで読むのも良いかもしれない。HTML版を見るとイラストは、講談社英語文庫版とほぼ同じようである。ただし上記の地図のイラストは載っていなかった。

昨年読んで面白かった『Holes』との比較で言うと、『Father's Dragon』は10歳くらいより下で、『Holes』は10歳くらいより上が対象の本という気がする。ということで、『Holes』の方が読むのに時間がかかる。しかし面白さは上だと思う。読める人には是非こっちも試していただきたい。

 

www.englishlearner-m.net

 

 

エルマーのぼうけん - My Father's Dragon 【講談社英語文庫】

エルマーのぼうけん - My Father's Dragon 【講談社英語文庫】

  • 作者: ルース・スタイルスガネット,ルース・クリスマンガネット
  • 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
  • 発売日: 2000/02/10
  • メディア: 文庫
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Holes (Holes Series)

Holes (Holes Series)