アガサクリスティーの『crooked house』を読んだ。邦題は『ねじれた家』。約一年前にこの作品の映画が公開されたときに、本屋さんの洋書売り場で平積みにされていた。それを購入。
内容
『アガサ・クリスティー完全攻略』で『ねじれた家』が解説されているので、そこから抜粋。
一代で財をなしたギリシャ人、アリスタイド・レオニデス。老アリスタイドは、奇矯な造りの屋敷に一族を住まわせていた。アリスタイドの孫娘ソフィアと恋に落ちた私は、ソフィアとの結婚話を進めるつもりだったが、老アリスタイドが毒殺されたという報に驚愕する。
そして、ソフィアも、「わたしの一族は"ねじれた家"に住んでいるよ」と、レオニデス一族の中の不穏な空気について懸念を示す。危機感を抱いた私は、アリスタイド殺害の謎を追う。
この作品では、ポアロやマープルは出てこない。シリーズものではなく単発の作品。名探偵が出てこないので、最後に一同を部屋に集めて、というようなシーンはない。
ただ、登場人物の中に探偵小説が好きな人物がいて、シャーロックホームズやワトソンの名前は出てきたりする。
作者の序文
この本の冒頭の序文(Author's Foreword)によると下記の文章から始まり、作者にとってどんなに思い入れのある作品かということが1ページにわたって書かれている。
This book is one of my own special favourites. ...
感想
登場人物の関係を把握するのがややこしかった。翻訳された日本語の本には登場人物が最初にリストアップされているが、英語の推理小説ではまだそういうのを見たことがない。今回も、レオニデス家の家系図など書きながら登場人物を整理して読んでいた。
登場人物を書きだすのは、面倒そうであるが、意外と楽しいし、理解も深まる。最近では、日本語の推理小説を読むときも登場人物を書きだしたりすることがある。
内容的には、屋敷の中で殺人事件があり、それでずっと話をもたせていて飽きない印象であった。まあ作者が自分で気に入っている(つまり自信作?)というくらいのことはあると思う。
『アガサ・クリスティ―完全攻略』の説明によると、この作品よりも前に同じトリックだかパターンだかの作品が発表されているとのこと。それが何の作品か全然ヒントがないので、ずっと気になっていたが、ちょっとあれじゃないかと思いついたのがあった。きっとあれだと思うけど違うかな・・・。
ちなみに、『アガサ・クリスティ―完全攻略』での『ねじれた家』のレーティングは★4であった。
(もし記事が参考になったようでしたらクリックしてただけるとうれしいです)
にほんブログ村