字幕翻訳に初めて挑戦してみた。
アメリアの翻訳トライアスロンの字幕翻訳にチャレンジしようかと思い、その練習のため。
アメリアでは、過去の定例トライアルや翻訳トライアスロンの課題、解説と訳例が
公開されている。
今回、アメリアの過去の定例トライアルの字幕翻訳の課題を解いてみた。定例トライアルの方が分量は少ない。
課題では、映像と英文のセリフとが与えられる。そして各英文のセリフに対して、日本語にした時の制限文字数が与えられている。ハコ切り(どこからどこまでの英文セリフを一つの字幕にするかを決める作業)は既に行われている。
今回試してみた課題は、映画の序盤の部分で、映像が2分10秒、セリフが40個のものであった。
やりはじめると、文字数の制限が強烈だった。ずっと文字数を考えている感じ。
翻訳と言っても実務系とは別世界であった。脳みその使ってる部分が違う感覚がある。
なんとか一通り訳して、解説を読んだら、まあそこそこは対応できていた。
ただ、字数制限に意識が行き過ぎて、英文の読み取りがちょっと雑になった。表現できる文字数が限られるので、英文すべてをきちんと日本語に翻訳できないので、大体で読んでしまいがちだった。
そして、解説コメントがズバッと心にささってしまった。
文字数制限があるとはいえ、字幕の場合もセリフの情報をなるべく正確に伝えるのが基本であり、必要に駆られてする意訳と安易に省略するのとは別物です。
確認作業については、いつもの実務系の翻訳よりはやりやすかった。映像を流して、音(英文セリフ)を聞きながら、訳文を見て確認できるので、より客観的に確認できるんじゃないかと思った。
普段からドラマや映画を字幕でよく見ているが、それなりに出来上がった自分の訳を確認していたら、自分の訳で映画のワンシーンを見ているかのようで、ちょっと楽しかった。
ただ、解説を読むと、今回解いたこの課題は取り組みやすい課題だったようなので、浮かれすぎないようにしないといけない。
今回字幕翻訳に初挑戦してそれなりに対応できたのは、『字幕翻訳とは何か』のおかげだと思った。やはりこの本はかなり良い。
上達のために、理論と実践が必要だと思うが、理論はかなりこの本で学べると思う。
『字幕翻訳とは何か』の最後に参考文献が記載されていたが、太田直子氏の本は4冊も含まれていた。そのうちの一冊は、『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』。以前読んだ『字幕屋のホンネ』の加筆・修正前の本である。
『字幕屋のホンネ』は、ユーモアがあって読みやすかったが、たしかにかなり深い内容が結構含まれていたように思った。
翻訳トライアスロンの課題は100点満点で評価される。字幕翻訳の過去の結果を見ると平均点は大体70点台後半くらい。
初心者なので、まずは80点くらいを目指して頑張ってみたいと思う。
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