『偽のデュー警部』(ピーター・ラヴゼイ著/中村保男訳)を読んだ。
これも大昔に買って、全然読んでいなかった本。
本の後ろを見ると、1992年5月31日 12刷となっている。
この時期、海外ミステリーにはまっていて本をよく買っていた。
ピーター・ラヴゼイは当時海外ミステリーの作家の中でも評価が高かったという記憶がある。この作家の本はまだ2,3冊(未読!)持っている。数年前の引越のときに、この作家のハードカバーを一冊(『最後の刑事』。今アマゾンを見たら星が4を超えている)読まないまま売ってしまってちょっと後悔。
『偽のデュー警部』は、英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞を受賞していて、この作家の代表作と言っていいかもしれない。
花屋の店員の恋の相手は歯科医だった。歯科医の妻は女優で、彼女は喜劇王チャップリンを頼ってアメリカに渡ると言い出した。二人の恋を実らせるには、この妻を豪華客船上から海へ突き落とすことだ。名を使い、完全犯罪を胸に乗船した二人だったが......やがて起こった意外な殺人に、船上に登場した偽の名警部が調査を開始する。英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー受賞。本格ミステリ黄金時代の香り豊かな新趣向の傑作!
大昔に、海外ミステリーの専門雑誌のEQMM(エラリークイーンズミステリーマガジン)の書評か何かに、ピーター・ラヴゼイはストーリーテリングがうまいと書かれていた記憶がある。
話の進め方がうまい気もするし、話も面白いので、400ページを超える本であるがすんなりと読めた。
この本では、イギリスからアメリカに向かう大型客船で殺人事件が起こってその謎が解き明かされていくということに加えて、その捜査を任されたのが、有名な警部(実在の人物らしい)の偽物という設定になっている。
裏表紙に書かれていある通り、本作品は『本格ミステリ黄金時代の香り豊かな新趣向の傑作!』だと思う。
また、裏表紙の説明が、新趣向のネタばれにならないようにうまく書かれていて絶妙だなと思った。
ミステリー小説であるが、エンタメ感もあって傑作だと思った。おもしろかった。
購入してから30年くらい経ったが、この本は読んでおいてよかった。
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