大昔に買ったものの、読んでいない本がそこそこある。
本を少しづつ処分しているうちに、そういう未読の本を読んでいこうかなと思い始めた。
最近の話題作などで気になる本があるが、そういうのを買う前に持ってる本を読んだほうがよいかなと。
未読の本の中で、『暁の死線』(ウィリアム・アイリッシュ著)を読んでみた。
原作の"Deadline at dawn"は1944年に発表されていて、80年前の作品。
今回読んだ『暁の死線』は、「1992年12月18日 25版」となっているので、約30年前に買ったものらしい。
郷に背をむけて大都会ニューヨークの虜となったダンサー稼業の女のまえに、突然姿を現わした風来坊青年。彼は奇しくも女の故郷の町の隣家の子だった。その彼はいま殺人の嫌疑に問われている。潔白を証明するための時間はあと5時間しかない。深夜のニューヨークに孤独な若い二人の捜査は進む。『幻の女』と並びアイリッシュを代表する最高傑作。
内容は全然知らずに読み始めたが、読みだすと導入の部分から面白かった。
初対面のダンサーの女性と青年が出会って協力しあうようになるまでの展開や雰囲気が非常にいい感じだった。
5時間というタイムリミットで事件の捜査をするという設定も面白い。
各章の見出しの部分にアナログ時計の文字盤で時刻が描かれていて、残り時間が刻一刻と迫ってくる感じがよかった。
大昔の本なのにそんな趣向もあるのかと感心してしまった。
解説を読むと、江戸川乱歩氏がこの作家の作品の中では、この『暁の死線』をベスト2として挙げていたとのこと。
この作品は高く評価されているからか、新装版が出ていてまだ販売されている。
古い作品であるが、面白かった。
読んでおいてよかった。
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