大昔に買って以来、長らく未読だった本を読んだ。
フリーマントルの『消されかけた男』。
原書の『Charlie Muffin』は、1977年に出版されている。
所持している本は「平成六年・二十八刷」の文庫本で、発行は昭和五十四年(1979年)。
本体466円、税込み480円で、消費税が3%だった頃の本。
当時は、300ページくらいの本が500円もしなかった。
主人公は英国情報部のチャーリー・マフィンで、西側とソ連が対立していた時代の話。
腕ききのチャーリー・マフィンがKGBのベレンコフを逮捕したにもかかわらず、冷遇されているところからストーリーが始まる。
どこから見ても風采の上らない英国情報部のチャーリー・マフィンは、KGBヨーロッパ・スパイの責任者ベレンコフを逮捕したこともある腕ききだが、部長が交替してからは冴えない立場に追いやられている。折しも、ベレンコフの親友カレーニン将軍が西側に亡命を望んでいるとの情報が入った。チャーリーはどこか臭いところがあると警告したのだが・・・・・。ニュータイプのエスピオナージュ。
スパイ小説は、フォーサイスを少し読んだことがあるくらいで、あんまり読んだことなかったが、非常におもしろかった。
ソ連の大物が西側への亡命に向けて慎重に動き、受け入れる西側の方も万全の体制を整えて行ってクライマックスを迎える。緊張感が高まっていき、結末がどうなるのかも気になって後半はどんどん引き込まれた。
結末は全然予想できなかった。
非常におもしろかった。
この40年以上前の本は、特に何かの賞を取ったということはないみたいであるが、いまだに絶版になっていない。
残念ながら、チャーリー・マフィンのシリーズの他の作品は絶版になってるみたい。
ということは、出版社もこの作品は特に評価しているということかもしれない。
続きの作品も1,2冊大昔に買った本が残っているので読んで見たい。
フリーマントル以外にも、スパイ小説で昔の有名作品で気になっているのがあったりするが、そういうのも読みたくなってきた。
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