ずいぶん昔に購入した本。ずっと積んでおいたままだったが、とある理由により読むことにした。
癌で余命宣告されたカーネギーメロン大学の教授の最後の講義やその他の色々な思いについてつづった本。
背表紙より
名門カーネギーメロン大学の講堂で、ある教授が「最後の授業」を行った。教授の名前はランディ・パウシュ。バーチャルリアリティの第一人者にして、コンピュータサイエンスの世界的権威だ。46歳、愛する妻と3人の子供に恵まれ、最高に充実した日々だった。だが講義直前、癌の転移が発覚、余命半年と宣告される。ランディには最後の教壇で、まだ幼いわが子へ、そして若者たちへどうしても伝えておきたいことがあった―。全米で話題になり、YouTubeを通じて世界中の人々に生きる勇気と喜びをもたらした、47歳でこの世を去った大学教授が残した感動のメッセージ。
感想
奥さんとの葛藤やなれそめ、親の話、自分のキャリア、達成した夢、生徒に教えてきたことなど割と色々なことが書かれている。それぞれにいいことが書いてあるなと思った。でもちょっと散漫かなという印象もあった。しかし、最後まで読んだら、その印象が消えた。なるほどと納得できた。
教授は普通の人ではなかなかかなえられなさそうな夢をいくつか達成している。その中で個人的にうらやましいのがあのスタートレックのカーク船長(ウィリアム・シャトナー)に会えたというところ。
僕の子供の頃の夢は、カーク船長に「なる」ことだった。その夢が、シャトナーが研究室に来るというかたちで実現した。憧れのアイドルに会える!しかもそのアイドルが、自分の研究室でやっているクールなことを見に訪れてくれるというのだから、信じられないくらいクールだ。学生たちと休みなしに働いて、エンタープライズ号のブリッジを真似たバーチャルリアリティの世界を設計した。
それから、自分が一番好きなところはこれ。本当にそうだなと思う。
もう一度繰り返そう。
経験とは、求めていたものを手に入れられなかったときに、手に入るものだ。そして経験は、きみが提供できるもののなかで、たいていもっとも価値がある。
自分の英語に関しては、英検の2次試験で何度か不合格になったり、TOEICは900点達成まで時間がかかったりした。それらは簡単に手に入らなかったので、がっかりした気持ちとともにその後試行錯誤したことなどがすごく記憶に残っている。そういうことは、後々まで役立っていると思う。
ちなみに、冒頭のこの本を読もうと思ったきっかけというのは、翻訳の勉強のため。
英語の訓練のためもあり、面白そうな翻訳書を見つけると原書の方を購入しがちで、最近あんまり翻訳書を読まなくなってきた。(英語の本は読むのに時間がかかるので未読本が増える一方という状況にはなってるが・・・)
しかし、山岡氏の『翻訳とは何か』を読んでから、翻訳本も読んだ方がいいなと思っていた。翻訳書を翻訳の勉強のために読むという意味で。
そんな時にこの本が翻訳書として結構評判よさそうだと知ったので、積んであったのを引っ張り出してきた。
読み終えて、プロの翻訳者の文章はさすがだと思った。ほとんど違和感なく読めて、中身に没頭できた。
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