今月発売になった『百田尚樹の日本国憲法を』を早々に購入し、珍しく早く読み終わった。
この本は発売前の予約の段階でアマゾンに予約が多く入り、予約の段階で重版が決まったとのこと。そして、発売日も過ぎてまだまだアマゾンでは売れているようである。
内容
目次はこのようになっている。
第一章 日本国憲法はおかしい
第二章 第九条に殺される
第三章 この国はどうやって守られてきたか
第四章 日本における「天皇」の存在
第五章 憲法誕生時にしかけられた罠
終章 今こそ憲法改正を!
目次で大体あらわされているように、この本は日本国憲法の条文の中身について細かく解説している本ではない。
この本は簡単に言うと、世界的に見て日本国憲法がどうおかしいか、今の日本国憲法でどれほど困ることがあるか、どのように制定された憲法なのか、ということが書かれている。
・1945年以降、アメリカでは6回、フランスでは27回、イタリアでは15回、韓国では9回憲法が改正されている。敗戦国のドイツでは62回憲法が改正されている。日本では憲法が制定されてから一言一句変えられおらず、0回である。
・日本の憲法には、国民の命を脅かす緊急事態(他国の侵略や大災害)が起こった際に対処する条文がない。そのため実際に、阪神・淡路大震災や東日本大震災でも救助が遅れることが起こっている。新型コロナの対策も緊急事態に対応する条文があれば、もっと速やかに対処できた。1990年以降の外国の憲法で、緊急事態に対応する条文のない憲法はないとのこと。
・ルクセンブルクが2度、武装を放棄したことがある。2度とも侵略されて、結局武装することになった。そして、集団的自衛権としてNATOには最初から加盟した。
・永世中立国のスイスは、徴兵制度が採用されており、有事に備えて国をあげて、武装して中立を守っている。スイスでは自衛隊と同じくらいの人数の兵士がいる。しかし、スイスの人口は、日本の10分の1に満たない。また、核シェルターが人口分ある。
・日本国憲法はGHQ側によって短期間で作られた。GHQの作成スタッフは応急処置的憲法だと考えていた。法学者の西修先生が1984年に、この草案を作ったスタッフにインタビューに行ったら、当然日本国憲法は改定されているものだと思っていたとのこと。
・自衛隊が生まれる一年前の1953年、日本は竹島を韓国に奪われている。GHQに押し付けられた憲法では、国土も国民も守れないと気付いた「自由党」と「日本民主党」の2つの政党が「自主憲法制定」を目的として生まれたのが「自由民主党」。
・どこの国の憲法も自由、平等、平和は謳っている。
感想
韓国が竹島を不法占拠している。
尖閣諸島に来る中国船はどんどんエスカレートしている。最近では、中国船が外国の船に攻撃してもよいという法案を審議し始めている。先日訪日した王毅外相が尖閣は中国の領土だと言っていた。いずれ武力行使してきてもおもしくなさそうな状況である。
現在の日本の領海で起こっていることを見て、この本を読むと、憲法改正の議論はもっと真剣にされるべきなんじゃないかと思った。
百田氏がツイッターで、上述の西修先生より「素晴らしいとのお言葉をいただきました」とつぶやかれていたが、そのあと結構すぐにこのツイートがアマゾンに広告として使われていた。
出版社が素早く宣伝に採用したらしいが、たしかに法学者の方のお墨付きがあるのとないのとでは全然印象が違うので、重要なところだと思った。
今、私の尊敬する憲法学者の西修先生から初めて電話を頂戴し、拙著『百田尚樹の日本国憲法』が素晴らしいとのお言葉をいただきました。
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) 2020年12月13日
憲法学の大先輩である碩学からこのような評価を頂けるような本ではないのですが、あまりにも感動したので、ツイートします😅
西先生、ありがとうございました。
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