Mの部屋(仮題) リターンズ

英会話スクールとかオンラインレッスンとかTOEIC(985点)とか英検(1級合格)とか工業英検(2級)の情報を公開、共有。しばらく前にHPを公開していたがサービスが終了、久しぶりに復活したので、"リターンズ"。英検でも、TOEICでもそこそこ挫折を味わって、色々考えてきたので、参考にしていただけることはあるかも。


翻訳を志す人はマストバイ、『翻訳とは何か』

翻訳について本を探していたら見つけた本。

レビューを見て良さそうだったのですぐに購入して読んでみた。想像よりはるかに良かった。

 

翻訳とは何か: 職業としての翻訳

翻訳とは何か: 職業としての翻訳

 

 

目次

はじめに 真夜中の電子メールとアマゾンの蝶々
第1章 翻訳とは何か
第2章 歴史のなかの翻訳家
第3章 翻訳の技術
第4章 翻訳の市場
第5章 翻訳者への道
第6章 職業としての翻訳
終わりに 文化としての翻訳

 

内容および感想

目次にあるように、翻訳というものが色々な角度から解説されている。

本を読んでいてためになることが書いてあるなと思ったら、付箋紙を貼ることにしているが、付箋紙を何枚も貼った。少し付箋紙を貼った箇所を抜粋してみる。

 

2章では、歴史上の偉大な4人の翻訳家、玄奘、フナイン、ティンダル、村田蔵六が紹介され、それを通して翻訳について書かれている。その章の終わりの部分で書かれていた。

翻訳の原動力になるのは、もちろん、外国のすぐれた知識を学ぶ意欲だが、それと同時に自国語に対する自信と愛情が重要である。自国と自国語を大切にするのでなければ、外国の知識は外国語で学べばいい。翻訳をする理由はない。

 

3章から抜粋。

 ところが、翻訳の場合はそうはいかない。一語でもわからない言葉があれば、一文でも理解できない部分があれば、翻訳はできない。始めから終わりまで、すべてを理解しなければならない。この結果、読解力不足を痛感することになる。

英語の本を継続的にずっと読んでるおかげで、わからない単語や表現はまだまだあるので、読解力不足は認識している。

また、TOEICや英検では長文すべての意味を問われることもなく、更に設問では選択肢の中に正解が一つ提示されている。それと比べると翻訳は断然大変である。

 

こちらも、3章から抜粋。

こうもいえる。外国語で書かれた本や記事や書類を読むとき、外国語として読んでいるようでは翻訳はまったくできない。外国語という意識がなくなって、内容を読む段階に達していることが、翻訳者になるための前提条件である。だが、翻訳にあたっては、もう一度外国語を外国語として意識しなくてはならない。外国語と日本語の違いをあらゆる面で再意識化しなければ、翻訳はできない。

こちらも、TOEIC、英検では英語を英語として処理する訓練をしていたが、翻訳は更にそれを日本語にするという別の訓練が必要である。それは自覚していてビギナーだなと気づいている。

 

3章からもう一カ所。

この点を考えるなら、翻訳に必要な三つの技術、すなわち、外国語を読む技術、内容を理解する技術、日本語を書く技術の三つのうち、なにがもっとも大切なのかはあきらかである。外国語を読む技術、内容を理解する技術がいくらすぐれていても、読み、理解した内容が読者に伝わらなくては、意味がない。読み、理解するのは、読者に伝わる文章を書くためなのだ。だから、翻訳の際にもっとも重要な技術は、日本語を書く技術である。

翻訳の学習をしているおかげで、最近、普段から日本語に敏感になっている。日本語の文章力で翻訳のレベルが決まると言うことなので。そして、日本語の勉強はした方がいいなと感じているところ。

 

この本の中で、自分が特に印象的だったのは、第2章。翻訳というものの見方が変わった。

翻訳とは、目の前にある外国語の文章を母国語に訳すというだけで考えていたが、翻訳のその歴史的、文化的な意義のようなことは全然想像していなかった。自分としては、最初はオンライン翻訳のトライアルを気軽に受け、それ以来徐々に深みにはまっている状況なので。

そしてこの第2章の内容は、以前『ぜったい音読』で読んだ、新渡戸稲造の言葉とリンクする部分でもある。翻訳は違う言語、文化を橋渡しする。

 

"My dream is to be a bridge across the Pacific Ocean."

 

www.englishlearner-m.net 

まとめ

翻訳に真面目に取り組んでみようという人にはマストバイの本だと思う。

 

 

 

(もし記事が参考になったようでしたらクリックしてただけるとうれしいです)

にほん

ブログ村 英語ブログ 英語学習者へ
にほんブログ 村