ちょっと真剣に翻訳をやってみようと思って、アメリアには2019年秋ごろに入会。
もう数か月前になるが、去年の秋にアメリアを退会した。
在籍したのは2年間。2年目の途中からは何もしていなかった。
やめた理由はいくつかある。大体以下のようなもの。
(1) 仕事や生活環境の変化
まず大きな理由は、自分の仕事や生活環境が変わったため。引越しして勤務地が変わり、英語力が必要となる今の部署に異動となった。今の職場ではまだ経験が浅く、習得すべきこともまだまだあるので、そちらに力を入れている。
(2) フェローアカデミーの「マスターコース」
翻訳の実力を上げるために、フェローアカデミーのマスターコースをアメリアと並行して受講した。アメリアではマンツーマンの指導はないので、そこに期待して受講した。
ちょっと高めの受講料(新型コロナ給付金をつぎこんだ)を出して、マスターコースを受講しても、実力は急には上がらないだろうとは予想はしていた。期待していたのは、実力アップのヒントなど自分に足りないところを教えてもらいたいということ。ただ、残念ながら期待したほどマンツーマンの指導はなかった。例えば、質問をしても、その質問が講座の中で共有され、一般化されて解説、回答されたりした。それでも、自分のレベルアップのヒントが欲しいので質問していたら、最終的に講師の方が「英語力より専門性が重宝される」ということをおっしゃっていた。
結局、このマスターコースの中で習得した一番のことは、重要なのは専門知識だということ。たしかに、日本人でも自分の専門ではない分野(政治、経済、技術等々)だと、日本語ででもきちんと説明できない。
この点について、アメリアについて考えてみると、アメリアは翻訳の前提となる専門知識を体系的に教えてくれるところでないと思った。
(3) アメリアの求人
アメリアでは、翻訳会社からの求人を公開している。そして、未経験でも応募可能な案件がセールスポイントの一つになっている。一度だけ、応募したことがあるが、そのときはトライアルを受けることもなく書類審査で落ちた。未経験で応募は可能でも、実力がないと合格はしないと思う。結局、実力が重要である。重要なのは実力。
(4) 翻訳業界の状況
翻訳業界について当初色々調べてみたが、翻訳者にとって厳しい状況にあるようである。
・収入
収入について翻訳業界の統計情報を調べてみたら、国税庁が発表している一般の収入分布よりも、グラフが低収入の方にシフトしていて厳しいものであった、と記憶している。
・機械翻訳
機械翻訳が普及していて、分野によって違いはあるが、翻訳精度はどんどんあがってきているようである。
仕事としては、機械翻訳を利用し、ポストエディットするというような仕事が増えているという話を聞いた。機械翻訳の結果を、ポストエディットするので、単価は低いらしい。機械翻訳については、自分のいる分野が、どれくらい機械翻訳が活用されているか気を付けないといけないと言っていた翻訳者の方もいた。
・トライアルは通過点
翻訳会社から仕事をもらうために、まずはトライアルに合格しないといけない。それが、最初の大きな目標である。しかし、翻訳祭でのセミナーで聞いた話によると、現実的にはトライアルに合格して翻訳会社に登録している翻訳者でも、実働は2, 3割とのこと。実力が認められている人に仕事がどんどん行き、そうじゃない人にはなかなか仕事が行かないという状況のようである。
まとめ
色々な状況を考えて、翻訳に打ち込むのはいったん休止中。(もしかしたら、今の仕事で専門知識を身につけたら、また再開するかもしれないくらいには思っている)
アメリア自体は、リーズナブルで、悪くないサービスだと思う。会員になると、翻訳関連の様々な情報を見ることができるし、カウンセリングもある。
ただ、翻訳自体が難しいもので、何かの情報を見たらすぐにぐんとレベルアップするものではないと思う。お金をもらって翻訳するレベルに達するまでには、地道に努力して年単位の時間が必要そうだと思う。
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