少し前に自分の周りでentrepreneur(起業家)やstartup(新規事業)という言葉が話題になっていた。
今年洋書セールでたまたま買った本の中に、それに関連したものがあったので読んでみた。
『Zero to One』
内容
作者は、Peter ThielとBlake Masters。
Peter Thielは、PayPalの共同創立者の一人。2012年にスタンフォード大学で講義していた内容をBlake Mastersがまとめたのがこの本の内容となっている。
One of those students, Blake Masters, took detailed class notes, which circulated far beyond the campus, and in Zero to One I have worked with him to revise the notes for a wider audience.
起業して成功するための考え方が書かれているが、成功するための具体的なやり方が書かれているわけではなく、成功するための7つのポイントについて書かれている。
全体でページ数は200弱でそんなに長くない。さらに説明を補足するための図やイラストなども入っている。
感想
起業しようとしているわけではないが、新規事業で成功するために考えるべきポイントについては興味深かった。技術以外にも、競争を避けて独占を目指す考え方、人材、営業、宣伝など色々抑えておくべきことがあるとのこと。
個人的には、1章が印象的であった。technologyの進化(0->1)とglobalization(1->n)とについて書かれているところ。
途上国が、先進国に追い付くように、世界が進んでいる(globalization)が、そうすると必要なエネルギーが増え、公害もそれに伴って増え、結果として環境的にかなり危ない状況になる。そういうのは、この先技術(technology)の進化がないと解決しないとのこと。
これを読んでいるときに、新型コロナウイルスで中国の工場が止まって、空が綺麗になっているという報道があった。さらにちょうど昨日も、新型コロナ対策で大気汚染が改善し、インド北部から数十年ぶりにヒマラヤが見えたというニュースがあった。
そのため、書かれている内容に非常に現実味を覚える。
あと、以前触れたように新しいtechnologyを使った効率アップというのは、個人レベルの話ではあるが、翻訳関係で良いヒントになった。
この作者のPeter Thiel氏について、この本を読むまで全然知らなかったが、このPeter Thiel氏を含めPayPal創業者関係の人たちは、PayPalマフィアと呼ばれていて、かなり知られた存在とのこと。この人たちがYouTubeやTesla、SpaceXほか大きな企業を立ち上げている。
この本の邦訳版『ゼロ・トゥ・ワン』は、2015年にビジネス書大賞にも選ばれている。
Zero to One: Notes on Start Ups, or How to Build the Future
- 作者:Masters, Blake,Thiel, Peter
- 発売日: 2015/06/04
- メディア: ペーパーバック
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