前からこの本の存在は知っていたが、タイトルやレビューを見て何となく購入に至っていなかった。
安西先生の本や問題集にずっとお世話になっていたが、一通り終わりそうになったので、試しに買ってみた。
内容
この本では、PART A, B, Cに分かれていて合計140問の問題がある。
1問~数問の問題があり、そのあとに解説が続くという形式で書かれている。
PART Aには、『誤読・誤訳の多い英文のうち、比較的短めのものを文法項目別に集め』られている。PART B, Cはそれぞれ翻訳学校の授業で70%~20%、20%未満の問題が集められている。
PART A 基礎編 100問
1 文の構造
2 時制・態
3 否定
4 助動詞・不定詞
5 動名詞・分詞
6 比較
7 関係詞
8 仮定法
9 相関構文・特殊構文構造
10 その他
PART B 難問 30問
PART C 超難問 10問
冒頭の『本書の使い方』によると、この本は英文法全体を体系的に総括することはめざしていないとのことで、『ある程度基礎が固まった時期に使ってもらうのが効果的だと思います』と書かれている。
また、上記以外に4つのインタビュー記事が収録されている。
感想
この本を読む前は、ちょっと軽い感じの本かなと、なんとなくと思っていた。しかし全然違っていた。かなりしっかりした内容の本だった。
内容は、翻訳学習者にうってつけのもの。
それもそのはず。この本は、もともと翻訳学校の授業の内容をベースにしたものなので。
そして、筆者が翻訳学校での指導などを通して蓄積した、翻訳学習者の間違いやすい問題が集められているので、非常に効率的に学習できる。
実際に、翻訳学習者が間違えやすいというところで、たびたび自分も間違えた。勉強になることばっかりである。
解説が論理的なのがよかった。考え方が習得できて、実際にそれを応用できそうに思える。筆者が、留学予備校で講師をして教えていた経験が活かされているような気がする。
冠詞など細かい部分についての解説もあり参考になった。以前、『トライアル現場主義!』を解いていて、冠詞にまできちんと気を配れていないところがあって、まだまだだなと思ったのが記憶に残っている。
筆者が書いているように、この本は体系的な本ではなく、間違いやすいところを選んでとりあげられているので、この本をやる前に英文法の体系的な学習をやっておくとより効果があると思う。自分の場合、安西先生の『英文翻訳術』、『翻訳英文法トレーニングマニュアル』などをやっていてちょうど良かったと思った。
インタビュー記事も含め、全体的に非常にためになる良い本だと思った。
ちなみに、新書サイズというのがあるかもしれないが、解いていてTOEICの特急シリーズを思い出した。
まとめ
英語中上級者の人が楽しめる内容だと思うが、特に翻訳学習者に非常におすすめの本。
『リベンジ編』、『必ず悪訳する英文』、『必ず誤訳する英文[決定版]』は購入済みで、このシリーズは全部終わらせようと思う。
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